仕事

個人のデザイナーは専門性を追求しよう

自分がデザインにおいてクライアントにどんな価値を提供できるか、何なら自分を必要としてもらえるのかと考えて、自分なりの結論を出せたので今考えていることを書きたいと思います。結論としては、消耗戦にならないために、個人のデザイナーは専門性を追求するべきという話になります。

なんでもいいときは代理店に頼む

以前デザイナー向けのブログ記事で、「なんでもいいときは代理店に頼む」という趣旨の話を読んだ覚えがあります。

適当に、そこそこのクオリティで安くデザインを出してくれることを望む時は、代理店かクラウドソーシングに出す。個人で生き残ることを考えたのなら専門性を追求するべき

とまぁこんな感じの話だったと思います。

なんとなく見栄えがよいもので安く済ませたいと考えたときには個人には頼まない。代理店にとりあえず適当に頼む。

私自身が外食をするときに、なんでもいいとき、とにかく適当に済ませたいときにはコンビニ弁当を食べたりチェーン店のファミリーレストランに入ったりします。逆にちょっといい食事がしたいと思ったときは少しこじんまりとした喫茶店に入ります。その話に私は完全とは言えないにせよ共感したからこそ、こうして覚えているのだろうと思います。

自分とクライアントの価値観は違う

以前クラウドソーシングサービスのコンペに出たことがあったんですが、暖色系の色を多用して「目立つことを意識しました」と書かれた提案が選ばれたということがありました。

出典 – PAKUTASO

 

私にはそのデザインはお世辞にもセンスがよいとは言い難かったし、ただ目が痛くなるだけのように見えました。自分の作品ではないにせよ、他にももっと良い提案がされていたと思います。きっと他のコンペ参加者もそう思っていたのではないかと私は思っています。クライアントの立場を考えても、それはナンセンスな選択肢だと言ってあげたくなりました。

しかしクライアントにとっては、それが最適であると判断されたわけです。センスや技術を磨いたところでどうにもならないと突きつけられたような気がしました。ほんの一時的ではあるものの、ひどく自信を喪失する出来事でした。

良いか悪いかは別として、スーパーなどで使われているような「レジにて半額!」と原色に近い赤と黄色で書くデザインだって、ひとつのデザインとして世の中に受け入れられており、それが完全に無くなるのは今後十年はないのだろうと思います。でもいくら需要があったとしても、それをやったところで代理店との競争になり、また自分自身も楽しくないのだろうと思いました。

おしゃれにするだけが価値でもない

では個人で生き残るには、とにかくおしゃれなイメージのみを目指すだけがよいのかというわけでもなかったりするんですよね。

Photoshopで本物そっくりなボタンをデザインする方法!だとか、クリエィティブを刺激する海外のおしゃれなデザイン!とか、キラキラエフェクトの作り方!みたいなブログの記事を拝読するときもあるのですが・・・

おしゃれすぎて、どこで使ったらいいのかわからないと思う場合がほとんどなんですよね。現実としてどの層のクライアントが求めているのか、とりあえず今の自分には想像できないんですよ。海外風というのは最近受けの良いジャンルではあると思うのですが、それでもある程度日本風にローカルアレンジされたものが受け入れられているような気がしてます。食品など、どんなものでもそうですよね。もちろん素直にかっこいいと思えるときもあるのですが、自分とかけ離れた存在を目指そうとするのはとても難しいと思いました。

ジャンルを細分化して考える

デザイナーを始めた当初は、とにかく何でもやりたい、なんでも挑戦したいと思ってましたが、おしゃれなデザインをしたらよいのか、商業的なデザインをしたらよいのかと、どこを自分は目指したらよいのか散々考えました。飲食店、美容院、中小企業、どれも難しいように思いました。

なら何なら作れるだろうかと考えると、パンフレットもだめ、名刺もだめ。

こんなに自分は何もできなかったのかと思わされたのですが、ふと自分はかっこいいものを作ろうとすると、とても苦しいのだということに気が付きました。これはだめ、あれはだめとそぎ落としていくと、不思議なことに自分が得意なテイストが何かわかり、それがわかると自分のできることがわかっていきました。

なぜ飲食店がダメなのか、美容院がダメなのか、中小企業を対象としたデザインが上手くできないのかと考えると、自分の得意なものが見えてきます。

他人の真似をしてもうまくいかない

デザインを0から考えるのは難しく、模倣をして得られるメリットはとても多く存在しています。実際何かデザインを学ぼうとしたときには、一回模倣してみるというのは有効な練習方法としてよく挙げられています。私も何度もやりましたし、今でもよくやります。

しかし自分が「これが好き!」と強く思えないジャンルのデザインを、とにかくなんでもやろうとしても、やっぱりうまくいかないのだろうと最近思いました。

好きじゃないけど仕方なくやる

→自発的に情報を得る行動しにくい→上達しない

逆に本心から「これが好きだ本当に好きだ、できるようになりたい」と思えるようなデザインなら、進んで情報も得ようとするし、そのうちできるようになっていくんだと思っています。

好きだ、知りたい、上達したい→自分から行動を起こしやすい

デザインが上手い人にだって得手不得手くらいある

おしゃれなデザインをする方は大勢いらっしゃいますが、とってもかっこいいデザインをする人が突然絵本の装丁を頼まれたら・・・

もしかしたらできちゃうのかもしれないですが、苦手という方もたぶん大勢いらっしゃると思うんですね。どれほど極めたところで、自分の苦手なジャンルというのは存在し続けるんだと思います。とってもかっこいいデザインを極めた人が、突然かわいいものを作ってくれと言われたところで、きっと上手くいかない。

さらに言ってしまえば、「かわいい」にも本当に多種多様な意味を持っています。女性向けデザインと言っても、そのテイストはキュート、ナチュラル、ポップ、キレイ系など、千差万別です。そして何が悪いかというと、自分が好きなテイストでないと、そのデザインの良し悪しが理解できないということでしょう。どこが悪いのか、どうしたらクオリティが上がるのか、考えていくことができないんですね。

他の方のデザインのテイストをたくさん好きだ、素敵だと思うことはできても、自分の軸というか得意なテイストはやっぱりある。でも別にそれでいいのだと思いました。

自分の軸を持ち専門性を追求していけばいい

そのものになることができなくても、他の人のデザインをすてきだ、おしゃれだと思います。自分は他の人の「これが好き」を全部真似することはきっとできません。

でも自分の思う「これが好き」を追求していくことは割と容易です。自分の「これが好き」を突き詰めていって、いつかおしゃれな方に「あなたの『好き』もすてきだね」と思ってもらえたら、最高ですね。